EAGLE FLY FREE
一日一枚を目標に、CDのレビューというか紹介をやっていきます(主にヘヴィメタル・ハードロック系)。あと、軽い日記的な事も。
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OLD MAN'S CHILD 「ILL - NATURED SPIRITUAL INVASION」
OLD MAN'S CHILD
「ILL - NATURED SPIRITUAL INVASION」


Old Man's Child Ill-Natured Spiritual Invasion

ノルウェー出身のブラックメタルバンド、オールド・マンズ・チャイルドの3作目。1998年発表。ディム・ボガーガルダーがドラム以外の全パートをこなしており、ドラムだけはダーク・エンジェルジーン・ホグランが担当しています。サウンドの方はクラシカルな装飾でメロディアスに疾走するスタイルとなっており、ブラックメタルらしさをちょっぴり残しながらも非常に聴きやすい音作り。今までもわりと聴きやすい方でしたが、今作ではそれよりもさらに通常のメタル寄りのサウンドとなっており、むしろブラック要素はデスヴォイスくらいにしか残っていないんじゃないかというレベルです。メロディの質もクサメロレベルの充実っぷりで、メロディアスなメタルが好きならば普通に悶絶できるのではないかと。

<収録曲>
1. Towards Eternity
2. The Dream Ghost
3. Demoniacal Possession
4. Fall of Man
5. Captives of Humanity
6. God of Impiety
7. My Evil Revelations
8. Thy Servant


<オススメの曲>
1. Towards Eternity
2. The Dream Ghost
5. Captives of Humanity
6. God of Impiety

優雅なイントロで始まる#1は、そのまま煌びやかな装飾を纏いつつ、ギターとドラムだけが爆走していく曲。装飾部分はゆったりさとのギャップがとても印象的。中盤からの美麗なピアノサウンドも素敵。
グルーヴィーなリフで進みながら、♯2は高速で紡ぎ出される流麗なピアノサウンドと共に疾走していく曲。そのピアノの疾走っぷりが個人的に妙にツボです。
#5は荘厳な雰囲気で始まり、ドラマティックかつ勇壮に展開していく曲。出だし部分のメロディがとてもエピカルで良いです。
#6は最初のノイズがとても邪魔なんですが、その後の展開は悶絶級のクサメロがこれでもかとばかりに乱舞するキラーチューン。クラシカルでヒロイック、さらに叙情性まで兼ね揃えた素晴らしいリフがあまりにも素敵。

オススメ度…85点

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テーマ:アルバムレヴュー - ジャンル:音楽

RIOT 「ROCK CITY」
RIOT 「ROCK CITY」

Riot Rock City

米国出身の正統派ヘヴィメタルバンド、ライオットの1作目。1977年発表。わけわからんアザラシ君はこの頃からジャケに存在しておりました。内容の方は、荒々しさと流麗さを兼ね揃えたツインギターがとても印象的な正統派メタルをやっており、アメリカ出身ながらもNWOBHMに少し近いような音像が特徴です。ただ、この頃の彼らにはアメリカンハードロックっぽい雰囲気も漂っており、良い具合にハイブリッドな感じに落ち着いています。音作り自体は若干チープなところもありますが、ギターリフがとにかくメロディアス。哀愁すら漂うメロディアスなリフが次から次へと紡ぎ出され、サビのコーラスはとてもキャッチーという、とても聴きやすい楽曲が並びます。

<収録曲>
1. Desperation
2. Warrior
3. Rock City
4. Overdrive
5. Angel
6. Tokyo Rose
7. Heart Of Fire
8. Gypsy Queen
9. This Is What I Get


<オススメの曲>
1. Desperation
2. Warrior
3. Rock City
6. Tokyo Rose

#1はちょっぴり古臭い雰囲気で軽やかに展開していく曲。明るい雰囲気と、随所で登場するプァーンって感じのギターサウンドが妙に印象的です。
そして世間的にも名曲と名高い♯2が圧倒的に秀逸。軽快な疾走感、メロディアスなツインギターの応酬、そして哀愁が胸にしみわたるキャッチ―なコーラスと、そのすべてが素晴らしいです。カッコ良さと親しみやすさが奇跡的な共存を果たしている超名曲。
♯3はノリの良い軽快なリズムが印象的なR&R風の曲。自然と体が縦に揺れるようなグルーヴ感が良い。
#6はイントロの時点で既に物凄く軽やか。その後のメロディも実に爽やかな展開を見せ、最後まで爽快に突き抜けることが出来ます。

オススメ度…82点

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STAHLMANN 「QUECKSILBER」
STAHLMANN 「QUECKSILBER」

Stahlmann Quecksilber

ドイツ出身のインダストリアルメタルバンド、STAHLMANNの2作目。2012年発表。硬く無機質なサウンドにちょっぴりゴシカルなテイストが加わったサウンドが特徴で、そこに低音でダンディなVoがのっかるというのが基本のスタンスです。歌詞がドイツ語なので歌唱自体もとてもお堅い雰囲気になっており、インダストリアルサウンドとの相性は抜群。ってとこまで書くと、きっとほとんどの人はRAMMSTEINの音楽性を思い浮かべるのではないかと思うのですが、ほぼそんな感じで間違いありません。ただ、こちらの方がゴシカルなテイストや、ちょっぴり荘厳な装飾が比較的強いので、個人的にはRAMMSTEINよりも先にEISBRECHERあたりを思い浮かべました。Voの声も基本的にはEISBRECHERにかなり似てるのですが、凄むとRAMMSTEINティルっぽくなることもしばしば。まぁ要はそこらへんのドイツ産インダストリアルが好きな人にはオススメということで。

<収録曲>
1. Engel Der Dunkelheit
2. Spring Nicht
3. Tanzmaschine
4. Asche
5. Mein Leib
6. Am Grunde
7. Goetter
8. Schmerz
9. Diener
10. Tanzmaschine(Club Remix)


<オススメの曲>
1. Engel Der Dunkelheit
2. Spring Nicht(→PV)
3. Tanzmaschine(→PV)
7. Goetter

冒頭の#1静かなイントロからエレクトロニックなサウンドが徐々に顔を出し、ちょっとずつ盛り上がっていく曲。ゴシカルなテイストが強く、サビのメロディは扇情的です。
♯2は無機質なリフがゴリゴリザクザクと刻まれる曲。バックの装飾は荘厳ですが、Voの低音ヴォイスと機械的な雰囲気のせいで妙な緊迫感が漂います。サビになると一転してやたらノリ良くキャッチーになるのが良い。
機械のSEで始まる#3もザックリとしたリフがノリ良く刻まれる曲。自然と体が縦に動くような無機質系のグルーヴ感が良いです。
#7はVoの迫力ある低音ヴォイスがたっぷりと堪能できる曲。電子的なビートがずっしりと刻まれているのがとても印象的です。

オススメ度…80点

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OBITUARY 「XECUTIONER'S RETURN」
OBITUARY 「XECUTIONER'S RETURN」

Obituary Xecutioner's Return

米国出身のデスメタルバンド、オビチュアリーの7作目。2007年発表。再結成後の第2弾となる作品です。良い意味でいつもと全く変わらないスタイルが貫かれており、地を這うようなヘヴィなサウンド、のっそりと蠢くような超スローなリフ、そしてドロドロとした気持ち悪い質感が全面に押し出された、誰が聴いても一発でオビチュアリーだと識別できるような作品となっています。もっさりとしたドゥーミーな雰囲気と、独特なグルーヴ感が非常に心地よい。そしてそんな中、今作から参加しているラルフ・サントーラが流麗なソロプレイを随所でぶち込んでくれており、良い具合にアクセントを付け加えているのも非常に良い感じの化学反応となっています。ジョン・ターディの汚らしいデスヴォイスも極悪さが全面に押し出されていてとても素晴らしい。

<収録曲>
1.Face Your God
2.Lasting Presence
3.Evil Ways
4.Drop Dead
5.Bloodshot
6.Seal Your Fate
7.Feel The Pain
8.Contrast The Dead
9.Second Chance
10.Lies
11.In Your Head


<オススメの曲>
1.Face Your God
3.Evil Ways(→PV)
4.Drop Dead
10.Lies

もっさりとしたリフがドロドロと刻まれまくる#1は、比較的早いテンポなのに醸し出す雰囲気は超ヘヴィ&スローという実に彼ららしい曲。リフのうねりと音圧がとにかく圧巻です。そんな中でやりたい放題弾きまくるメロディアスなギターソロがとても派手で良い感じ。
♯3は独特のグルーヴ感をまとっていて、思わず体がゆっくりと縦に揺れてしまうような曲。
ヘヴィさが全面に押し出されている#4は、沈み込んでいくようなダークな雰囲気とVoの喚きっぷりの対比が良い感じ。
#10は比較的早いテンポの非常に攻撃的な曲。ただ、やはり全体から放出されるオーラはとても重厚で、もはや禍々しさすら漂います。

オススメ度…85点

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VEILED IN SCARLET 「IDEALISM」
VEILED IN SCARLET 「IDEALISM」

Veiled in Scarlet Idealism

日本出身のメロディックデスメタルバンド、ヴェイルド・イン・スカーレットの1作目。2012年発表。かつて圧倒的クサメロを武器に巷で話題になったメロデスバンド、SERPENTのメインソングライターであったKeija<Dr,Key>が立ち上げた新しいプロジェクトです。元SERPENTHiroki<G>も参加しており、ほとんどSERPENTの復活作と言ってしまっても過言ではありません。そしてサウンドの方も見事にかつてのSERPENTを踏襲しており、モダンな音作りの中に圧倒的にクサいメロディを存分に配したメロデスをやっています。Voは低音のグロウル系なので、そこがSERPENT時代との大きな違いになるのかな。ただ、ギターのメロディアスさ及び音圧に埋もれて少々影が薄くなっている感は否めません。

<収録曲>
1. Desire
2. Belief
3. The Whereabouts Of My Soul
4. Idealism
5. Drift
6. Night Befall
7. The Wind To A Dream
8. Resistance
9. Dividing Line


<オススメの曲>
1. Desire
2. Belief
4. Idealism
8. Resistance

冒頭の#1からもういきなりの本領発揮。クサメロと泣きメロが縦横無尽に絡み合う悶絶チューンです。メロディの洪水という使い古された表現がとてもしっくりくるような、次から次へと美旋律が飛び出てくる曲になっています。
♯2はデスラッシュ気味のザクザクとしたリフの中に、彼らの持ち味であるクサメロをぶち込んだような曲。
タイトル曲の#4もザクザクとしたリフとメロディアスなフレーズの絡みが凄まじい曲。ソロのあざといほどにクラシカルなフレーズや、全体を覆う効果的なシンフォ装飾がたまりません。
#8はテンポは控えめなものの、荒々しさが全面に押し出された曲。ギターのメロディもねっとりと奏でられ、とても印象に残るフレーズがポンポン飛び出します。

オススメ度…84点

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DRAGONLAND 「UNDER THE GREY BANNER」
DRAGONLAND 「UNDER THE GREY BANNER」

Dragonland Under the Grey Banner

スウェーデン出身のシンフォニックメロディックパワーメタルバンド、ドラゴンランドの5作目。2011年発表。初期はソナタ・アークティカばりのキラキラ系メロスピをやっており、そこから段々とシンフォニックさを強めてメロスピ路線から脱却していった彼らですが、今作ではメロパワ風のサウンドに最近の豪華絢爛なシンフォニック要素を乗っけてきたようなサウンドとなりました。クサメロも適度にまぶされているし、力強さやアグレッシヴさも兼ね揃えているという印象。逆に言えばクサメロ疾走に特化しているわけでもないし、シンフォニックさを突き詰めまくったわけでもないということになるのですが、個人的にはなかなか上手くまとめ上げられているのではないかと思います。

<収録曲>
1. Ilmarion
2. Shadow Of The Mithril Mountains
3. The Tempest
4. A Thousand Towers White
5. Fire And Brimstone
6. The Black Mare
7. Lady Of Goldenwood
8. Dûrnir's Forge
9. The Trials Of Mount Farnor
10. Throne Of Bones
11. Under The Grey Banner
12. Ivory Shores


<オススメの曲>
2. Shadow Of The Mithril Mountains
4. A Thousand Towers White
6. The Black Mare
9. The Trials Of Mount Farnor

荘厳で期待感の高まるドラマティックなイントロの#1を経て、♯2の冒頭ではさらに語りが挿入。まだ始まらんのかよ!と思わされますが、ちょっとしたらヒロイックなメロディで一気に疾走を開始します。音自体に厚みがあって迫力十分で、その迫力のまま疾走していくのでとても聴きごたえがあります。ちょいちょいエピカルなクサメロを絡めつつドラマティックに展開していく曲。
#4もパワフルな音圧で疾走していく曲。サウンド自体はとても荒々しいのですが、メロディがちょっと爽やかなのが良い。中盤のミドルテンポパートがなんかのどかな雰囲気が漂ってて印象的。
そして#6はこのアルバムの中で一曲だけ抜きんでた超名曲。サビでの盛り上がりと高揚感、そしてみんなで歌いたくなるようなクサいコーラスは、メロパワ界においてもかなり上位に来るんじゃないかという素晴らしさです。派手な装飾も絶妙でとても効果的。
#9はダークな疾走パートと、幻想的なミドルパートの組み合わせが秀逸。特に疾走パートの激しいリフ攻勢がとても好きです。

オススメ度…82点

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BLACK MESSIAH 「THE FINAL JOURNEY」
BLACK MESSIAH 「THE FINAL JOURNEY」

Black Messiah The Final Journey

ドイツ出身のヴァイキングメタルバンド、ブラック・メサイアの5作目。2012年発表。いかにも戦う戦士達といった感じの熱くヒロイックなクサメロが最大の特徴です。前作よりもさらにシンフォニック要素に磨きがかかっており、さらに昔の荒々しさも取り戻してきたという印象。豪華さ、そしてパワー共に、前作よりも数段グレードアップしています。民族楽器の登場頻度も相変わらず高く、その手のサウンドが好きな僕は個人的に嬉しい限り。要所要所で乱舞するフィドルの音色に悶絶です。

<収録曲>
1. Windloni
2. Der Ring Mit Dem Kreuz
3. To Become A Man
4. Into The Unfathomed Tower (A Tribute To CANDLEMASS)
5. Feld Der Ehre
6. Lindisfarne
7. The Naglfar Saga : Prologue - The Final Journey
8. The Naglfar Saga : Mother Hel
9. The Naglfar Saga : On Board
10. The Naglfar Saga : Sailing Into Eternity


<オススメの曲>
1. Windloni(→PV)
2. Der Ring Mit Dem Kreuz
6. Lindisfarne
8. The Naglfar Saga : Mother Hel

荘厳だけど既にダサさが滲み出すRPG風のイントロで幕を開ける#1は、1分半を過ぎたあたりで一気に疾走開始。疾走を開始してからのメロディがさらにダサく、悶絶級のクサメロで勇壮に駆け抜けます。ヒロイックなシンフォサウンドがツボ過ぎてヤバい。
♯2はフィドルが大活躍の素晴らしい曲。前半部は比較的ゆったりですが、後半に進むにつれどんどんとクサメロ疾走していき、終盤ではフィドルの高速乱舞っぷりがたまりません。
#6は漢の哀愁のようなものを漂わせる渋いイントロで幕を開け、そこから荒々しく駆け出していく曲。ちょっぴり異国情緒漂うメロディと、拳を振り上げたくなるような熱いメロディの応酬が素晴らしい。
#7以降は組曲形式になっているのですが、そんなに身構えて聴く漢字ではなく、普通にそれぞれの楽曲が独立している感じ。個人的にはブラックメタルのような荒々しさと、朗々とした低音ヴォイスパートとの組み合わせが秀逸な#8が好きです。

オススメ度…85点

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GRIS 「Il Était une Forêt...」
GRIS 「Il Était une Forêt...」

Gris Il Était une Forêt...

カナダ出身のデプレッシヴブラックメタルバンド、グリスの1作目。2007年発表。これ以前はNiflheimという名前で活動していたのだそうです。深い悲しみに包まれた神秘的なサウンドが特徴で、ブラックメタルらしいノイジーなリフと、素朴で哀しげなアコースティックサウンドとの絡み合いがとても素敵。時折挟み込まれるピアノやストリングスが物悲しさをさらに増幅させ、心に深く突き刺さるような悲壮感を植え付けてくれます。狂って泣いているようなVoもとても強烈で、サウンドと合わさってとにかく"悲痛"という印象です。全6曲の全てが10分前後ということで比較的長い作品なのですが、サウンドの詰まり具合と曲構成の巧みさに一切のスキが無く、迫りくる悲哀の洪水に最後までどっぷりと浸かってしまうこと間違いなしの名盤。

<収録曲>
1. Il Était une Forêt...
2. Le Gala des Gens Heureux
3. Cicatrice
4. Veux-Tu Danser?
5. Profonde Misanthropie
6. La Dryade


<オススメの曲>
1. Il Était une Forêt...
3. Cicatrice
4. Veux-Tu Danser?
6. La Dryade

冒頭の#1は神秘的なイントロで始まったかと思ったら、ノイジーなリフと悲痛な叫びが唐突に爆発してくる曲。ただ、そのノイジーなリフも悲壮感が溢れており、これでもかとばかりに暗く哀しい旋律をジリジリと響かせてくれます。ゆったりとしたテンポでずぶずぶと沈み込んでいき、バックの神秘的かつ幻想的なシンセでふんわりと包み込んで行ってくれる素晴らしい曲。
♯3は大人しいアコースティックな音色で不気味な旋律を紡ぎ出してくれる曲。その圧倒的な神秘性には覗いてはいけないものを見てしまった時のようなぞわぞわした感覚が宿ります。Voの呟き気味に歌い始めてそっから徐々に狂って絶叫へと移行していく感じがとても良い。それに伴ってサウンドの方もどんどんと狂気性を増していき、悲哀に満ちたリフが混沌と渦巻いていきます。
時計の音と赤ちゃんの泣き声というこの上なく不気味な雰囲気で幕を開ける#4は、基本的にその不気味さを残しつつアコースティック主体で進行していく曲。Voはむせたり唸ったり、はたまた泣いているような悲痛な叫びをあげたりとやりたい放題。バックの演奏が静かな分、そのVoの多彩な表現力をたっぷりと楽しむことが出来ます。基本的には静かな曲なのですが、途中で一度荒々しく盛り上がるパートもあり、その騒々しさの中ですらどこか哀しげなのがとても良い。不気味さと神々しさが複雑に絡み合い、狂気へと昇華されていく素晴らしい曲。
最後を飾る#6はピアノと弦楽器主体のインスト。到底メタルとは言えないような曲ですが、とにかく旋律が哀しく、凍りつくほどに美しい曲となっています。

オススメ度…92点

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VENDETTA 「WORLD UNDER FIRE」
VENDETTA 「WORLD UNDER FIRE」

Vendetta World Under Fire

英国出身の正統派ヘヴィメタルバンド、ヴェンデッタの3作目。2012年発表。80年代っぽさを前面に押し出した古き良き正統派メタルをやっており、ツインギターを交えつつパワフルに突き進んでいく様は、メイデン風というよりはむしろプリースト風と言った方が良いかもしれません。メタルの良さを純粋に追求しようとしている姿勢にとても好感が持てるので、この調子でこれからも頑張っていってくれれば良いのではないかと。今の時点ではリフやメロディのフックに乏しく、あと一歩感は否めませんが、ピュアな姿勢が素晴らしいのでなんとなく応援したくなってしまうようなサウンドという感じです。

<収録曲>
1. Convergence
2. Halo in Black
3. Machtpolitik
4. Veil of Empathy
5. Blast Radius
6. Lords of Chaos
7. Fragmented Reality
8. The Ghost Inside
9. All Your Setting Suns
10. We are Legion


<オススメの曲>
2. Halo in Black(→PV)
6. Lords of Chaos
7. Fragmented Reality
10. We are Legion

とりあえず♯2がとてもパワフルな王道サウンドで素晴らしい。力強いリフと適度な疾走感、そしてツインギターの魅力たっぷりのソロと、聴きどころがたっぷりです。
あとはリフに独特のグルーヴ感がある#6が結構好きかな。正統派リフがザックザクと刻まれていて知らない間にノリノリになれます。
ワイルドに疾走する#7もわりとお気に入り。荒々しい疾走感のわりに歌メロやVoの声が明るく朗らかなのが良いです。ソロプレイも目立ってて良いね。
アルバムの最後を締める#10も王道中の王道な正統派メタル。まぁそもそも作品全体が超王道ど真ん中なんだけどさ。

オススメ度…78点

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FUGATTA 「MYSTIC KINGDOM」
FUGATTA 「MYSTIC KINGDOM」

Fugatta Mystic Kingdom

メキシコ出身のメロディックスピードメタルバンド、FUGATTAの1作目。2011年発表。メキシコにはゴアとかデスメタルのイメージしかなかったのですが、このバンドはそんなメキシコのイメージを一気に覆すような欧州風のキラキラ系クサメロスピをやっています。疾走感とやり過ぎなソロはドラゴンフォースを彷彿とさせ、Keyの圧倒的キラキラっぷりは初期ソナタ・アークティカ、朗らかな明るいメロディはフリーダム・コール、そしてちょっと細い声ながらも一生懸命さが伝わってきてとても好印象なVoはストラトヴァリウスあたりを彷彿とさせるようなサウンドが特徴です。そして何よりも素晴らしいのはやはり曲のクサさ。とにかくクサメロを振りまきながら疾走するそのスタンスはこの手のサウンドが好きな人にはたまらないのではないかと。いかにもB級な感じは否めませんが、そこが逆に悶絶ポイントの一つです。

<収録曲>
1. Intro
2. Secret Of Eternity
3. My Moon
4. The Last Wizard
5. The Queen Isabel
6. Land Of Misery
7. Valley Of Sorrow
8. Follow Me Away
9. Dragonlance
10. Magic Place
11. Across Time
12. The Golden Pot


<オススメの曲>
2. Secret Of Eternity
3. My Moon
5. The Queen Isabel
9. Dragonlance
10. Magic Place

とりあえず一番のオススメは、RPG風なイントロの後に続く爽やか疾走クサメロチューンの#2♯3。まごうことなき超王道のメロスピなのですが、そのストレートすぎる展開が実に気持ちいです。とにかくメロディが爽やかで明るくて楽しげなのがたまらない。
#5は明るいメロディのアップテンポな曲。歌メロが始まるとバックの演奏がグッと静かになって、哀愁漂うアコースティック風味のサウンドに切り替わるのが面白いです。サビが近づくとやはり王道メロスピに戻っていき、クサくて印象に残るキャッチーなサビでトドメを刺しに来ます。
あとはやたらファンタジックな#9とか、無駄にヒロイックな#10なんかもたまらない。

オススメ度…86点

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