EAGLE FLY FREE
ヘヴィメタル・ハードロック系を中心に、CDのレビューというか紹介をやっています。ただの自己満足の感想文。軽い日記的な事も。
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INGRAIN 「AEMBERS」
INGRAIN 「AEMBERS」

Ingrain Aembers

<収録曲>
1. Bramm
2. Fragmented Mind
3. Firmament
4. To See
5. Outro


イスラエル出身のポストブラック/シューゲイザーメタルバンド、イングレインのEP。2015年発表。

今のとこ、今年発表のCDの中でベストジャケです。美麗すぎる…!

そんな美麗なジャケのようなふわっとしたシューゲイザーサウンドと、いかにもブラックメタルなジリジリとした陰鬱なリフが絡み合いながら展開するのがこのバンドの音楽性になっており、最近よくあるタイプのポストブラックと言ってしまえばそれまでなのですが、クオリティとしてはなかなか高いところでまとまっているのではないかなと思います。

アコースティックで輪郭のぼやけた綺麗なサウンドと、ギリギリとした尖った黒いサウンドが良い具合にかみ合っていて、自然な流れで混ざり合っているのがとても良い。

冒頭の#1は静かでちょっとゾクッとするような美しいアコースティックサウンドがしばらく続き、そっからさらに明るくなってふわっとしてきたかと思いきや、いきなりドス黒いリフと邪悪なVoへと変貌していく急展開。邪悪なパートに移っても、ジリジリとしたトレモロリフの中にメロウさが内包されているのが良い感じです。
続く#2は最初っから轟音のとどろく暗黒モード。そんなダークな世界観の中で儚くアコギの響くイントロが妙に印象的です。その後のガッツリとしたグルーヴィーなリフも良い。
#3はゆったりとしたスローなリフが心地よい曲。重いリフなのに重さを感じさせない不思議さがあります。
#4はジリジリとしたリフが妙な明るさを持った曲。ふわっとしたクリーンヴォイスの歌唱もどことなく温かみを感じさせてくれます。中盤でアコースティックな雰囲気に変わったかと思いきや、最後でまたブラックメタル寄りになり、結局また最初の雰囲気に戻るという展開も素敵。
最後の#5は3分ほどある儚いアウトロです。

てなわけで、ジャケのセンスが良いバンドは音のセンスもやはり良い、という僕の持論を裏付けてくれるようなバンドでした。これが1stEPなので、今後にも期待が高まります。
気になったらBandcampでチェックしてみましょう。

<オススメの曲>
4. To See

オススメ度…83点

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テーマ:HR/HM - ジャンル:音楽

ALCEST 「SHELTER」
ALCEST 「SHELTER」

alcest shelter

<収録曲>
1. Wings
2. Opale
3. La Nuit Marche Avec Moi
4. Voix Sereines
5. L'Eveil Des Muses
6. Shelter
7. Away
8. Délivrance
9. Into The Waves


フランス産ポストブラックメタル/シューゲイザーメタルバンド、アルセの4作目。2014年発表。

最近はポストブラックメタルバンドがわりと多いですが、それらの感想を書こうとしたらとりあえず比較対象としてアルセが出てきてしまうってくらい、この界隈での代表格的存在です。

思わず「う、美しい…」と溜め息が漏れてしまうような、崇高な美しさを包括したサウンドになっており、もはやブラックメタルという単語を出すこと自体に抵抗を感じてしまうような美しいサウンド。初期はまだシャリシャリとしたリフなどにブラックメタルの名残が見受けられ、「ああ、確かにポストブラックだな」という部分もあったのですが、この作品ではもはやその名残すら感じられません。
初期が「枯れ果てた大地に生命の息吹を吹き込んだようなサウンド」って感じだとしたら、今作はもはや「新しい生命が誕生して枯野が再生したようなサウンド」って感じかな。
アコースティックなサウンドがとても綺麗で、ノスタルジックで寂しげなメロディがとにかく綺麗で、そこにのっかる穏やかなクリーンヴォイスがめちゃくちゃ儚いです。

2分弱の神々しいイントロ#1に続く#2が、いきなりこの作品のハイライト。なんというノスタルジックなサウンド!なんという幻想的な世界観!と、思わずうっとりしてしまうようなシューゲイザーサウンドとなっています。
#3はとても物悲しいアコースティックサウンドに心をもって行かれる切ない曲。体の内側から哀しみがじわじわと広がっていくような感覚がたまりません。
音数の少ない#4は、虚無感の漂う静かな曲。心に隙間にスッと入ってくるような儚い曲です。
ゆったり淡々とした#6とか、いかにもシューゲイザーな美麗タイトル曲の#7とか、ニール・ハルステッドをリードボーカルに据えた#8あたりも周りに負けず落とさず良い曲。
最後を締める#8は10分超の大曲ですが、聴だけで心が洗われるような物静かな世界観が最高です。

とりあえずポストブラックすら脱却してしまったポストポストブラックみたいなサウンドですが、その質の高さは相変わらずピカイチで、この手のジャンルの旗印的存在としてのポテンシャルを存分に見せつけてくれるような作品でした。ノスタルジックな気分に浸りたい方はぜひ。

<オススメの曲>
2. Opale

オススメ度…89点

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テーマ:HR/HM - ジャンル:音楽

DEAFHEAVEN 「SUNBATHER」
DEAFHEAVEN 「SUNBATHER」

Deafheaven Sunbather

<収録曲>
1. Dream House
2. Irresistible
3. Sunbather
4. Please Remember
5. Vertigo
6. Windows
7. The Pecan Tree
8. Punk rock/CODY


米国出身のポストブラックメタルバンド、デフヘブンの2作目。
2013年発表。

ピッチフォークの年間ベストアルバム6位に選ばれたのを始め、各方面で絶賛され、メタル界隈以外でもかなりの評価を得ている1枚。

前作を聴いて「わりと良い!」と思いつつ、最近はあまりポストブラックな気分ではなかったのでスルーしていたのですが、年末になってあまりに絶賛されているので思わず手を伸ばしてしまいました。

前作のサウンドからよりポストロックらしさとメロディの美しさを洗練させてきたようなサウンドで、音作りの方にブラックメタルらしさは皆無。幻想的で温かみすら感じさせるフワフワシャリシャリとしたトレモロリフで、浮遊感のある不思議な音世界を構築してくれています。
一方でボーカルの方はというと、相変わらずブラックメタルらしい籠った絶叫や喚き声。そう言うとバックの美しい音とは決して相容れないモノのように思えるのですが、これが不思議なほど違和感なく融合しているというのがまた凄いところです。

冒頭の#1はイントロからもう美し過ぎるトレモロが洪水のように押し寄せてくる曲。そこに凶悪なVoがのっかるくせにその美しさは決して損なわれず、それら全てが渾然と一体となりながら攻め寄せてきます。楽曲から溢れ出る多幸感がヤバい。
タイトルトラックの#3はシリアスな轟音がドラマティックかつ扇情的に盛り上がっていく曲。10分という長い時間をかけてゆっくりと聴き手を絡め取っていくような楽曲です。
#5は長尺な曲が大半を占める今作の中でも最も長い14分に及ぶ曲。前半でゆっくりとした哀しげな曲かと思わせておいて、途中から徐々に凶暴さを剥き出しにしてくるところがとても良いです。しかも凶暴なのにどこか温かいという雰囲気が凄い。
#7は逆にイントロからブラスト全開の比較的攻撃的な曲。感情の爆発をそのまま音楽にしたような激情メロディがとても素敵です。
#8MOGWAIのカヴァーですが、すっかり彼らの色に染められたサウンドになっています。

ってことで、確かに各方面で絶賛されるのもまぁ納得の、素敵なポストブラック作品でした。僕としてはポストブラックの王様はALCEST一択なのですが、「こいつらもなかなかやるじゃん」的な。
ポストブラック好きなら試してみても良いのではないでしょうか。

<オススメの曲>
1. Dream House
3. Sunbather
5. Vertigo
7. The Pecan Tree

オススメ度…85点

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M83 「HURRY UP, WE'RE DREAMING」
M83 「HURRY UP, WE'RE DREAMING」

M83 Hurry Up, We're Dreaming

フランス出身のアンソニー・ゴンザレスによるエレクトロニック・ポップ・プロジェクト、M83の6作目。2011年発表。"シューゲイザー・エレクトロ"と呼ばれる、ちょっぴり陰鬱で幻想的なシンセポップをやっています。シューゲイザーというと基本的にはやはりギターを中心としたロック寄りのサウンドなのですが、ここで聴けるのはドリーミーなエレクトロサウンドを中心とした一風変わったサウンド。それでもやはりシューゲイザーっぽい独特の下向きな感情が感じられるところが、"シューゲイザー・エレクトロ"と呼ばれる所以なのだと思います。シューゲイザーと言えどもかなりポップな一面も持っており、曲によってはしっかり歌モノとしての楽しみ方も出来るのが親しみやすくて良い。

<収録曲>
Disc.1
1. Intro (feat. Zola Jesus)
2. Midnight City
3. Reunion
4. Where the Boats Go
5. Wait
6. Raconte-Moi Histoire
7. Train to Pluton
8. Claudia Lewis
9. This Bright Flash
10. When Will You Come Home?
11. Soon, My Friend

Disc.2
1. My Tears Are Becoming a Sea
2. New Map
3. OK Pal
4. Another Wave From You
5. Splendor
6. Year One, One UFO
7. Fountains
8. Steve McQueen
9. Echoes of Mine
10. Klaus I Love You
11. Outro


<オススメの曲>
1-2. Midnight City(→PV)
1-3. Reunion
1-6. Raconte-Moi Histoire
2-2. New Map
2-3. OK Pal
2-6.6. Year One, One UFO

とりあえず#1-2が群を抜いて素晴らしい。ドリーミーなエレクトロサウンドに導かれる幻想的なサウンドにはもはや神々しさすら感じます。ひたすら反復される陰鬱で神秘的なシンセリフの中毒性がとにかく異常。一度聴いたらしばらーく耳から離れません。歌メロ自体はとってもポップで、ゆったりと流れる時間がとても心地良い。終盤のムーディーなサックスの音色も素敵。
#1-3はゆったりしたロック気味の曲。爽やかさと神々しさ、そして哀愁とが入り混じっています。
#1-6は8bitみたいな音が印象的な可愛らしい曲。ポップでキャッチーなメロディラインをバックに、女の子の語りが素朴に響きます。終盤に行くにつれて明るく神秘的になっていくところが好き。
キラキラとしたシンセを幻想的な空気が包み込む#2-2は、ふわふわとした掴みどころのない感じが印象的。ぼやけた輪郭がいかにもシューゲイザーっぽくて良いです。終盤の素朴な雰囲気もたまらん。
♯2-3はポップで親しみやすいメロディを軸にドリーミーに広がっていく曲。可愛らしいエレクトロサウンドが良いね。
素朴なアコースティックサウンドに導かれる♯2-6も全体的にまったりしてて良いなぁ。

オススメ度…83点

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KRALLICE 「DIMENSIONAL BLEEDTHROUGH」
KRALLICE
「DIMENSIONAL BLEEDTHROUGH」


Krallice Dimensional Bleedthrough

米国出身のポストブラックメタルバンド、クラリスの2作目。2009年発表。最初っから最後まで、狂おしいほどにエモーショナルなトレモロリフがびっしり詰め込まれており、ただひたすらそれのみに終始します。緩急が付いていたり、時に過激になったり、神秘的になったり、陰鬱になったりと、様々に展開していくのですが、そのいつどんな場面でも聴こえてくるのはひたすらにメロいトレモロリフ。ただ、比較的長尺な曲のほとんどをトレモロリフが占めているにもかかわらず、曲自体の展開はとても豊富なので飽きることなく最後まで聴き通すことが出来ます。ブラックメタル的な凶暴性も失っておらず、禍々しい絶叫パートもちらほら。太いベースラインやドタバタと高速で構築されていくドラミングがバックでしっかりと聴き取れるのも良い味出してます。

<収録曲>
1. Dimensional Bleedthrough
2. Autochthon
3. Aridity
4. The Mountain
5. Untitled
6. Intraum
7. Monolith of Possession


<オススメの曲>
1. Dimensional Bleedthrough
4. The Mountain
7. Monolith of Possession

冒頭の#1はイントロがいきなりカオス。ノイズみたいなので始まったかと思いきや、やりたい放題に楽器陣が暴れまわります。そっから段々と整合性を取り戻していき、メロいトレモロの嵐へとシフトチェンジ。そのトレモロのエモーショナルさが凄まじく、攻撃的ながらもどこか哀愁を感じるようなメロディアスさがたまりません。これが手を変え品を変え次々と微細な変化を持ちつつ攻めてくるので、常に悶絶しっぱなしの11分間です。
あと個人的に好きなのは♯4かな。やはりこれもひたすらトレモロリフに終始するのですが、そのリフの醸し出す抒情性と曲自体の持つ凶暴さとのせめぎ合いがたまりません。
18分強の超大作#7もドラマティックで聴きごたえがあって結構好き。

オススメ度…86点

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KRALLICE 「DIOTIMA」
KRALLICE 「DIOTIMA」

Krallice Diotima

米国出身のブラックメタルバンド、クラリスの3作目。2011年発表。シャリシャリとしたトレモロリフが薄っすらとしたメランコリックなメロディを奏でるというのが基本のスタンスです。意外と荒々しいのですが、寒々しい幻想的な世界観があまり激しさを感じさせない不思議な音作り。「寒々しいシャリシャリとした反復トレモロリフ」という字面だけ見ると北欧方面のプリミティブブラックに通じるような音をイメージしますが、実際に聴いて受ける印象としては「シューゲイザーっぽいポストブラック的な音」と言った方がいいかもしれません。不協和音寸前のハーモニーが美しく響き、聴く者の精神を揺さぶります。

<収録曲>
1. -
2. Inhume
3. The Clearing
4. Diotima
5. Litany Of Regrets
6. Telluric Rings
7. Dust And Light


<オススメの曲>
2. Inhume
4. Diotima
5. Litany Of Regrets

イントロ的な2分ちょいの#1、6分という比較的コンパクトな#2、そして10分前後のその他全ての曲がクラリス節に染め上げられており、ドタドタトしたプリブラ的なドラムをバックにトレモロ全開で展開します。そのくせ金太郎飴状態にもなることもなく、手を変え品を変えで変幻自在にメロディを操り、常にクライマックス状態を維持し続けるセンスが素晴らしい。飽きることなく常にその時その時の音を楽しむことが出来ます。
個人的に一番好きなのは♯5で、ドタドタトしたドラムに合わせて刻まれるリフが不思議な感覚を呼び覚ましてくれる曲。なんだかドラムとリフが重なる曲ってあんま聴かないので、精神的になんか不安定な感覚になります。でもそんな感覚にゾクゾクしちゃったりするっていう。いやはや不思議な曲です。

オススメ度…88点

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ALCEST 「Les Voyages De L'Âme」
ALCEST 「Les Voyages De L'Âme」

Alcest Les Voyages De L'Âme

Neige氏によるフランス産ポストブラックメタルバンド、アルセの3作目。2012年発表。アコースティックなサウンドを基調としたノスタルジックなサウンド、ゆったりとした心安らぐテンポ、幻想的で優しいクリーンヴォイスと儚さの漂う女性Vo、ちょっぴり陰鬱なシューゲイザーサウンド等がふんわりと混ざり合う独創的な音楽をやっています。一応ポストブラックなんて言われてますが、サウンドの方にブラックメタルらしさはほぼ存在せず、曲によってはちょっとだけ喚き声が入ってたりしますが邪悪さは一切感じません。とにかくメロディが美麗で、醸し出す雰囲気は神々しさすら漂い、その浮き世離れした世界観にずぶずぶと惹きこまれていくこと間違いなしの作品。

<収録曲>
1. Autre Temps
2. Là Où Naissent Les Couleurs Nouvelles
3. Les Voyages De L'Âme
4. Nous Sommes L'Emeraude
5. Beings Of Light
6. Faiseurs De Mondes
7. Havens
8. Summer's Glory


<オススメの曲>
1. Autre Temps
3. Les Voyages De L'Âme
4. Nous Sommes L'Emeraude
8. Summer's Glory

#1の冒頭からアコースティックな音色が繊細に響き渡り、郷愁っぷりがいきなり全開。Voの声も優しく、女性Voも神秘的で、まるで妖精の国に迷い込んだかのようです。淡々としたシンプルなリズムがとても心地よく、魂が浄化されていくような癒しを得られます。
個人的に一番好きなのは♯2で、ゆったりとしたトレモロリフから紡ぎだされる哀愁が凄まじい曲。相変わらず幻想的ですが、もはや聴いてるこっちが精神的に不安定になりそうなほど物悲しく繊細です。

オススメ度…87点

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COLD BODY RADIATION 「DEER TWILLIGHT」
COLD BODY RADIATION 「DEER TWILLIGHT」

Cold Body Radiation Deer Twillight

トナカイさんジャケが妙にそそる、オランダ出身のシューゲイザー/ポストブラックメタルバンド、コールド・ボディ・ラディエーションの2作目。2011年発表。寒々としながらもどこか優しさのようなものを感じる、アトモスフェリックな落ち付いたサウンドが特徴です。ポストロックやシューゲイザー的な要素が強く、ブラックメタルらしさはほとんど無し。ノイジーでシャリシャリしたトレモロリフなどがさりげなく奏でられているあたりや、さりげなく後ろの方で絶叫がかすかに響いているあたりに一応ブラックメタルを感じることは出来るのですが、透明感のあるフワフワとしたサウンドが全編を包み込んでいるため攻撃性はかなり削ぎ落され、非常に美しいサウンドへと昇華されています。Voの無いパートや優しい呟き程度のパートが多く、基本的にはインストパートが中心。確かにこの幻想的な世界観を表現するには変に歌を入れない方が良いのかもしれません。シューゲイザーらしいなんとも言えない下向きで鬱々とした雰囲気が、暗くなり過ぎない程度に漂っているのも非常に魅力的です。

<収録曲>
1. Deer Twillight
2. Make Believe
3. The Night Reveals
4. Shimmer
5. Change Of Page
6. Concept Of Forever
7. Yes, Maybe The Stars


<オススメの曲>
1. Deer Twillight
3. The Night Reveals
5. Change Of Page
6. Concept Of Forever

#1はめちゃくちゃゆったりとした超静かな曲。ブラックメタルの"ブ"の字はおろか、メタルの"メ"の字すら見あたらず、かろうじてロックの"ロ"の字が見えるくらいです。幻想的なシンセの音がふわふわと響き渡るアンビエントチックな曲。
#3はシューゲイザーらしいシャリシャリとした物憂げなサウンドに、ブラックメタルっぽいチロチリのトレモロ要素がわずかながら混ざり込んでおり、これぞポストブラックな雰囲気がたまらない一曲。基本的には幻想的で神秘的なサウンドで、ゆったり時が流れていくような安心感を感じます。さりげなく演奏にまぎれて絶叫が入ってたりするんだけど、なんか自然な感じであまり気付かないかも。
#5#6はブラックメタルっぽさが比較的強めに出ている曲。まぁあくまで"比較的"ですが。チリチリとしたノイジーなギターリフが緊迫した空気の中で奏でられているのですが、結局は周りの醸し出す雰囲気に負けて美しく仕上がってしまっているあたりが逆に良いです。#6とかドラムはスタスタと結構早いテンポで叩かれてるし、ベースもブリブリしてるんだけど、それでも美しいんだもんなぁ。

オススメ度…80点

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FEN 「EPOCH」
FEN 「EPOCH」

Fen Epoch

英国出身のポストブラックメタルバンド、フェンの2作目。2011年発表。アトモスフェリックで幻想的シンセサウンドがふんわりと全体を包み込み、その中を荒涼としたリフがゆったりと紡がれていく、シューゲイザー的な音楽性が特徴です。ブラックメタル的な要素もわりと残っており、Voの絶叫なんかはかなり凶暴だし、まわりのシンセに相殺されてるとはいえリフ自体もなかなか攻撃的。ふんわりと浮遊感漂う空間的なサウンドと、ブラックらしい禍々しいサウンドとの鬩ぎ合いが聴き所です。無心になって爆音で聴くと心地よいかも。悲哀と絶望感にまみれた神秘的なサウンドに身を委ねてください。

<収録曲>
1. Epoch
2. Ghosts Of The Flood
3. Of Wilderness And Ruin
4. The Gibbet Elms
5. Carrier Of Echoes
6. Half-Light Eternal
7. A Waning Solace
8. Ashbringer


<オススメの曲>
1. Epoch
6. Half-Light Eternal

#1はめっちゃ幻想的なゆったりとした曲。とにかく儚いです。中盤から徐々に盛り上がっていき、後半は多少ブラックメタル的に。それでもどこか神秘的な空気が漂っています。
一番のキラーチューンは、アコースティックで儚く美しい出だしを持つ#6。このまま幻想的に最後までゆったりと進むのかと思いきや、途中でどんどん雲行きが怪しくなっていき、だんだんと禍々しい展開に。挙句の果てには疾走しだしてしまいます。後半のトレモロリフとか、全体を覆う陰鬱な雰囲気とかが超好き。

オススメ度…81点

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